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印刷業界における出血(ブリード)とは?

出血(ブリード)(しゅっけつ、英: Bleed、仏: Fond perdu)とは、印刷物のデザインや画像が用紙の端まで完全に印刷されるために、デザインを実際の仕上がりサイズよりも少し大きく配置する余白部分を指します。この余白部分は「出血」と呼ばれ、断裁時のズレを考慮してデザインが紙の端に達することを保証します。通常、出血は3mm程度設定され、断裁時の微妙な誤差によって、白い縁が残らないように設計されています。出血は特にポスターやチラシ、名刺、パンフレットなど、用紙全体に印刷を施すデザインにおいて非常に重要です。

出血(ブリード)とは?その定義と目的

出血(ブリード)とは、印刷物のデザインや画像が用紙の端まできちんと印刷されるために、デザイン自体を仕上がりサイズよりも外側まで広げることを指します。印刷後に断裁される際、裁断の誤差が生じる可能性があるため、出血を設定しておくことで、用紙の端に白い未印刷部分が出ないようにします。出血の目的は、印刷物がきれいに仕上がるようにするためで、特に縁まで色やデザインが広がっている場合に不可欠な要素です。

この出血を設定しないと、裁断の誤差によって意図しない白い部分が生じ、デザインが途切れたり不完全な仕上がりになるリスクがあります。したがって、出血は美しい仕上がりを保証するための、印刷工程における重要なステップの一つです。

出血の必要性と印刷工程における役割

印刷物において出血を設定することは非常に重要です。印刷後に用紙が裁断される際、機械の微妙なズレや紙の移動によって、デザインの端がきれいに揃わない場合があります。出血を設定することで、このズレを考慮に入れ、裁断しても白い余白が残らないようにします。出血がない場合、デザインの境界が途切れ、仕上がりが不自然に見えることがあります。

特に大規模な印刷工程では、一度に大量の用紙が裁断されるため、わずかなズレが生じることは避けられません。こうしたズレを補正するために、出血が設定されることにより、仕上がりが均一で美しくなります。出血は、印刷物の視覚的な完成度を高め、デザインの品質を保つために欠かせない工程です。

出血の設定方法と適切なマージンの確保

出血を正しく設定するためには、まず印刷物の仕上がりサイズを把握し、そのサイズより外側に一定の余白(通常は3mm)を設ける必要があります。この余白部分には、デザインや画像を延長して配置し、断裁時の誤差に対応します。グラフィックデザインソフト(Adobe IllustratorやPhotoshopなど)では、出血の設定が簡単に行えます。

印刷データを作成する際、出血部分は仕上がりサイズを超えるため、最終的なデザインがページ全体にわたることが保証されます。また、デザインの重要な要素や文字は、出血部分にかからないよう、内側の安全マージン内に配置することが重要です。安全マージンは通常、仕上がりサイズの内側に3~5mm程度設定されます。これにより、デザインの重要な部分が裁断されるリスクを避けることができます。

出血処理が印刷品質に与える影響

出血処理は、印刷物の品質に直接的な影響を与えます。出血を正しく設定することで、印刷物がきれいに仕上がり、プロフェッショナルな印象を与えることができます。逆に、出血が不十分であったり設定が誤っていると、裁断時にデザインの一部が欠けたり、余白ができてしまい、全体的な品質が低下します。

特に、広告用ポスターやカタログ、チラシなど、ビジュアルが重要な印刷物では、出血の設定は重要な要素です。これにより、デザインが端までしっかりと印刷され、顧客に対して信頼感のある仕上がりを提供することが可能になります。また、出血が適切に処理された印刷物は、仕上がりが均一で、どの面から見てもデザインが途切れないため、視覚的な完成度が高まります。

出血の設定ミスによるトラブルとその対策

出血の設定ミスは、印刷物の品質に重大な影響を与えることがあります。例えば、出血を設定しないまま印刷すると、裁断時に白い縁が残り、デザインが不完全な形で仕上がります。また、出血の設定が不十分だと、裁断後にデザインの重要な部分が欠けることもあります。

このようなトラブルを防ぐためには、デザインデータを作成する際に、必ず出血を3mm程度設定することが推奨されます。また、デザインソフトでの出血設定が正しく反映されているかを確認するため、印刷前にプルーフ(試し刷り)を行うことも有効です。さらに、印刷会社にデータを入稿する際には、出血設定が適切に行われているかを確認するためのチェックリストを使用することが推奨されます。

まとめ

出血(ブリード)は、印刷物の品質を保つために不可欠な要素です。印刷物の端まできれいにデザインが広がるようにするためには、仕上がりサイズよりも少し大きめにデザインを作成し、断裁時の誤差に対応する必要があります。出血を正しく設定することで、印刷物はプロフェッショナルな仕上がりとなり、見た目の完成度が高まります。適切な出血設定は、印刷物の品質や信頼性を維持し、顧客に対して高品質な印刷物を提供するために重要な要素です。



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